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2025/02/17
足底腱膜炎に対する動注療法の最新の論文の要約
足底腱膜炎に対する動注療法の最新の論文がでました!
院長気になったので要約していきたいと思います。

超音波ガイド下動脈内塞栓術による足底筋膜炎の治療成績:
安全性と有効性の評価
はじめに
足底筋膜炎(Plantar Fasciitis,PF)は慢性的なかかとの痛みの主要な原因の一つであり、米国では年間200万人以上が罹患し、生涯有病率は10%に達します。
初期治療としては、リハビリテーション、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、ステロイド注射、体外衝撃波治療などの保存療法が一般的であり、90%の患者がこれらの治療に反応しますが、一部の患者では効果が得られず難治性となります。
PFでは血管線維芽細胞性過形成がよく見られます。動脈塞栓術(Transcatheter Arterial Embolization, TAE)は、出血や腫瘍壊死の管理に用いられる確立された手法であり、炎症抑制効果も認められています。変形性膝関節症や肩関節周囲炎(フローズンショルダー)、腱障害・付着部症などで良好な結果が報告されています。この手法は、新生血管の異常な増生を抑え、炎症を軽減することで治療効果を発揮します。
しかし、TAEは高度な技術と高額な設備が必要であり、実施可能な医療機関が限られています。そこで、超音波ガイド下での動脈穿刺による一時的な塞栓材料の動脈内注入が代替治療法として提案されました。
この手法は、カテーテルを用いず、血管造影室や特殊な装置が不要なため、より簡便かつ低コストで実施できます。過去の報告では、手指の変形性関節症に対する応用が報告されていますが、足底筋膜炎に対する適用は症例報告1例のみであり、安全性と有効性は未解明のままでした。
そこで、本研究では、保存療法に抵抗性のある足底筋膜炎患者を対象に、超音波ガイド下動脈内塞栓術の安全性と有効性を評価することを目的としました。
研究方法
研究デザインと対象
・ 本研究は、多施設後ろ向き単群研究であり、倫理審査委員会の承認を得て実施されました。
・ 外来診療で一時的な塞栓材料を用いた動脈内塞栓術を受けたPF患者が対象。
・ すべての患者は書面によるインフォームド・コンセントを提供。
対象基準
- 1. 踵骨部足底筋膜付着部に圧痛がある。
- 2. 超音波検査で足底筋膜の厚みが4mm
以上。 - 3. 少なくとも2か月以上の保存療法に反応
しない。
結果
・ 2020年1月~2022年2月の期間に72名のPF患者に超音波ガイド下動脈内塞栓術を
実施。
・ 6名が追跡不能となり、最終的に66名を解析対象とした。
・ 平均追跡期間は30.9±5.5か月
(範囲24~49か月)。
・ 手技の成功率は100%。
・ 初回の10例でX線透視を使用し、異常新生血管の存在を確認。
・ 治療後は疼痛(NRS:7.9→0.7)および機能(AOFAS:65.8→96.1)が大幅に改善。
・ 軽微な副作用(皮下血腫、蕁麻疹、一過性のしびれや痛みの増悪)は1週間以内に解消、足底腱膜の厚さも有意に減少。
考察
本研究では、超音波ガイド下動脈内塞栓術の高い安全性が確認され、治療後最大4年間にわたって有意な疼痛軽減と機能改善が持続することが示されました。
NRS(痛みの数値評価スケール)およびAOFAS(足・足首機能評価スコアの有意な改善が確認され、超音波検査では足底筋膜の厚みの減少も認められました。
また、本手法の安全性プロファイルは良好であり、重篤な副作用は報告されませんでした。
結論
超音波ガイド下での動脈内塞栓術は、従来の治療法に反応しない難治性足底筋膜炎に対する有望な代替治療法となる可能性があります。
今後、ランダム化比較試験(RCT)によるさらなる検証が必要とされます。
従来ですとステロイド注射や体外衝撃波などがありましたが、また別の治療法が報告されました。難治性の足底腱膜炎には一度試してみてもいいかもしれないですね!
当院ではステロイド注射、体外衝撃波、動注療法と全て行なっておりますので、お気軽にご相談下さい。
これから気になる研究を要約してブログとしてご案内できればと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。