病名別に探す
関節リウマチ
手の関節が痛い、腫れてきたなどの症状はありませんか?
関節リウマチは、主に関節に炎症を引き起こす自己免疫疾患です。関節の痛みや腫れ、こわばりが特徴で、進行すると関節の変形や機能障害を引き起こすことがあります。
下記の条件に当てはまる方は
関節リウマチの検査をお勧めします。
- 朝になると手がこわばっている
- 朝の洗顔や身支度が大変
- 重いものを持つと痛い
- 階段の登り降りで痛い
- 夕方になると倦怠感が出る
- 体が重だるく力が入らない
- 微熱が続く
- 食欲減退
- 体重減少
上記に当てはまる方は関節リウマチの疑いがあります。検査をおすすめ致します。
関節リウマチの検査について
炎症の程度といった免疫の状態をみながら、関節リウマチの可能性を調べるとともに、ほかの病気との鑑別を行います。関節リウマチ因子だけでは判別できないことが多いため、CRP、RF、抗CCP抗体、MMP-3などを測定し診断します。
-
CRP(C反応性タンパク)
CRPは、体内に炎症や組織の破壊がある時に、肝臓で作られる特殊なタンパク質です。
感染症など炎症を伴うさまざまな病気で値が高くなります。全身の炎症反応を示しますので、関節リウマチの方では陰性のこともあります。0.3mg/dL以下がひとつの目安です。 -
リウマトイド因子(RF)
リウマトイド因子とは、自己抗体といわれるもののひとつで、関節リウマチや他の膠原病などの自己免疫疾患の方にみられます。
健康な方にも陽性の方がたくさんいます。関節リウマチの患者さんの約80%の方が陽性ですが、残りの20%の方では陰性となるため、リウマトイド因子が陰性でも関節リウマチではないとは言い切れません。
また早期の方では陽性率は著しく低下します。 -
抗CCP抗体
環状シトルリン化ペプチド ( CCP ) とよばれる物質に対する抗体です。ごく早期のリウマチでも血液中にみられることから、早期診断にも役立ちます。
この抗体が多くみられる患者さんは関節破壊の進行も早いため、強力な治療を行います。関節リウマチ以外の病気でも陽性になることがあります。 -
MMP-3
(マトリックスメタロプロテアーゼ3)関節中の滑膜組織からつくられる酵素で、関節炎がひどくなると、その量はより増加します。リウマチ診断の補助に使われ、また治療薬の効果を調べるのに役立ちます。
-
画像検査
関節の破壊などを確認できます。診断、病気の進行をチェックするうえで定期的に必要な検査です。
-
X線検査(レントゲン検査)
骨びらんなどの関節リウマチの特徴的な所見
の有無を確認します。 -
超音波
滑膜炎を見ることで現在のリウマチの活動性を評価することができます。
関節リウマチとは?
関節リウマチとは、身体のあちこちの関節が痛んだり、腫れたりする病気です。
進行すると、関節が変形してしまい、日常生活の中で困難となる動作が出てきます。今現在でも関節リウマチの原因は不明ですが、免疫(細菌などから身体をまもるシステム)の異常、遺伝子の異常、ウイルスや細菌感染などが組み合わさって起こるのではないかと考えられています。
関節リウマチは身近な難病です。全身の関節に炎症をきたし、進行性の関節破壊により日常生活ができなくなり、内臓病変を合併すれば生命予後の悪化につながります。しかし、関節リウマチの治療については、近年、疼痛の軽減から骨関節破壊の防止へと劇的な変化をみせ、治らない病気から治る病気へと変わってきています。
関節リウマチの症状
関節リウマチの症状として、肩、鎖骨、肘、手首、手、股関節、膝、足首、足の痛みや腫れ、朝起きた時に関節が動かしにくい、ぎこちない、手が握りにくい、微熱やのどの痛みが数週間続く、などがあげられます。
早期に発見することにより、内服薬、または点滴や注射を使用する治療で、関節リウマチの症状はほぼ抑えられ、関節の変形を防ぐことが可能な時代になっています。
関節の痛みや腫れは、年齢とともに起こる変形性関節症や変形性脊椎症に多く見られますが、関節リウマチが隠れていることもあります。リウマチは、早期診断・早期治療が重要です。少しでも気になる症状がございましたら、なるべく早くご相談ください。
関節リウマチの治療
以前の関節リウマチ治療は、薬で炎症や痛みを抑える、悪くなった関節部位を手術で取り除くくらいしかできることがありませんでした。
しかし、メトトレキサートなどの内服薬や、生物学的製剤という新たな分類の治療薬が登場し、炎症や痛みを抑えるだけでなく、病気の進行を食い止めて関節が破壊されるのを防ぎ、患者さんの生活の質を高める治療ができるようになってきました。
現在では、こうした薬を使った治療 ( 薬物療法 ) を中心に、リハビリテーション、手術などを、必要に応じて組み合わせて治療を行うのが一般的です。
関節リウマチの治療の目的はリウマチの症状、兆候がほとんどなく病気をコントロールできている状態を達成すること、そしてその状態を保つことです。このような状態を“寛解(かんかい)”と言います。
最新の関節リウマチの治療では、リウマチの活動性をみながら、寛解を目標に治療をします。どうしても寛解に入らない場合でも、ある程度、炎症がコントロールできる状態 ( 低疾患活動性 ) を目標にして治療をします。このようなやり方は、「目標達成に向けた治療 ( treat-to-target ) 」とも呼ばれます。
いったん治療によって寛解に入った後も、寛解を維持することが大切です。
寛解に入った途端に薬を減らしたりすると、また再発をしてしまいます。寛解が長期間続く場合には、薬の減量や中止ができる場合もありますが、勝手に治療をやめないでください。
これら経口抗リウマチ薬・生物学的製剤による治療効果は数ヶ月かかりますので、関節リウマチ患者さんに合わせて即効性のあるステロイドの点滴投与や非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)の併用をすることもあります。