
特殊な診療
– 北総エリア初導入 –クーリーフ治療

保険診療でできる変形性膝関節症に対する最新治療
変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減ることで関節に炎症や変形が起こり、慢性的な膝の痛みや歩行障害を引き起こす疾患です。進行すると、立ち上がりや歩行だけでなく、階段の昇り降りすらつらくなります。
従来の治療(内服薬・ヒアルロン酸注射・リハビリなど)で効果が不十分な場合、手術(人工関節など)を検討するのが一般的でしたが、手術には大きな負担や入院が必要な場合もあり、ためらう方も多いのが実情です。
そこで登場したのが、痛みの原因である神経に直接アプローチする非手術的治療「クーリーフ治療(Coolief)」です。
当院は北総エリアで初めてこのクーリーフ治療を導入いたしました。
クーリーフ治療について
1:クーリーフ治療の仕組み


クーリーフは、「冷却機能付きの高周波治療」によって、膝の痛みを脳に伝えている神経(主に膝関節の感覚神経)を熱でブロックする治療です。
クーリーフ治療の特徴
- 高周波(ラジオ波)を用いて、神経に一定温度(約60℃)の熱刺激を与えることで、痛みの信号を遮断します。
- 冷却機能(冷却水が流れるプローブ)を内蔵しており、熱が拡散しやすく、より広い範囲にやさしくアプローチできるのが特長です。
- 神経を完全に切断するのではなく、一時的に機能を止めることで、数ヶ月から1年以上痛みを軽減することが期待できます。
2:このような方におすすめです
- 変形性膝関節症と診断され、薬や注射で
十分な効果が得られていない方 - 手術を避けたい、入院や長期リハビリに
抵抗がある方 - 痛みのせいで活動量が減り、生活の質
(QOL)が低下している方 - 高齢で手術のリスクを避けたい方
3:治療の流れ
(当院の標準的な手順)

1. 初診・診察・画像検査
膝の状態やこれまでの治療歴を確認し、クーリーフ治療の適応を判断します。必要に応じてレントゲンやMRIを用います。
2. 治療計画の説明
効果・リスク・費用・実施日程などをご説明します。
3. 処置当日
局所麻酔を行ったうえで、超音波ガイド下で正確に神経の位置を確認し、治療用の針を挿入します。
高周波装置にて加熱・冷却しながら神経を処理します(片側30〜40分程度)。
4. 処置後
処置直後に軽い違和感があることがありますが、数日〜数週間で徐々に痛みの軽減を実感される方が多いです。日帰りで帰宅できます。
4:「いくつになっても歩ける
体を」支える治療を
クーリーフ治療は、「もう手術しかない…」とあきらめていた方にこそ届いてほしい選択肢のひとつです。
当院では、エコーや透視を活用した安全な施術体制を整え、患者さん一人ひとりに合わせた痛み治療を提供しています。
5:クーリーフ治療のよくある質問
Q1. クーリーフ治療には保険が使えますか?
A. はい、2024年4月から保険適用となりました。
対象は「変形性膝関節症による慢性疼痛」で、一定の条件を満たす場合に保険診療として実施可能です。適応かどうかは、医師の診察と検査で判断します。
Q2. クーリーフ治療はどれくらい効果が
続きますか?
A. 個人差はありますが、半年から1年以上痛みの軽減効果が持続するケースが多いとされています。
痛みが再発した場合、再度の治療も可能です。
Q3. 痛みは完全になくなるのですか?
A. 痛みが“ゼロ”になるとは限りませんが、日常生活がかなり楽になる方が多くいらっしゃいます。
杖を手放せた、階段がスムーズになったなどの報告もあります。
Q4. どんな副作用やリスクがありますか?
A. 処置後に軽い痛みや違和感を感じることがありますが、多くは数日で落ち着きます。
感染や出血のリスクも非常に低く、安全性の高い処置で、冷却機能により周囲の神経や組織への負担も最小限に抑えられます。
Q5. 治療は何分くらいかかりますか?
A. 片側で約30~40分程度が目安です(前後の準備含め約1時間前後)。
当日は日帰りでお帰りいただけます。
Q6. 治療後、すぐに歩いたり動いたりできますか?
A. はい、治療後すぐに歩行は可能です。
激しい運動は数日間控えていただきますが、日常生活にはほぼ支障はありません。むしろ「動ける体」を取り戻すための第一歩として、多くの方が喜ばれています。
Q7. クーリーフ治療を受けられないケースは
ありますか?
A. 感染症がある方、出血傾向がある方、膝の神経走行が特殊な方などは適応外となる可能性があります。また、変形が非常に高度な場合(K-L分類4など)は効果が限定的なこともあります。
まずは診察・画像検査を通じて、適応を正確に判断いたします。