
こんなお悩みありませんか?
- 肩・腕・手指が痛い・しびれる
- 手指が動かしにくい
- 握力の低下を感じる
- 細かい動作が難しくなった
- 指の変形
当院では、患者さんの症状に応じて、X線検査(レントゲン)、超音波検査(エコー)、血液検査などを行い、必要な場合には提携医療機関でMRIやCTを実施し、しびれの原因を正確に診断いたします。
主要な症状と治療例
1:頚椎症性脊髄症
頚椎症性脊髄症とは?
頚椎症性脊髄症とは、加齢による変化などによって頚椎(首の骨)の中を通る脊髄が圧迫されることで、手足のしびれや麻痺、感覚障害が進行する疾患です。
原因
頚椎症性脊髄症の原因は、大きく「静的因子」(安静時でも影響を及ぼすもの)と「動的因子」(首の動作によって影響を受けるもの)に分けられます。
静的因子(構造的な要因)
1.加齢による頚椎の変化- 椎間板の膨らみ(膨隆)
- 骨棘(骨のとげ)の形成
- 黄色靭帯の肥厚
(生まれつき脊柱管が狭い)
日本人は欧米人よりも脊柱管が狭い傾向があり、発症しやすいとされています。
動的因子(動作時に影響を受ける要因)
- 首を後ろに反らせた時に、靭帯が脊柱管へ垂れ込み、脊髄を圧迫する
- 頚椎の骨同士の緩みにより、動作時に脊髄が挟まれてしまう
症状
頚椎症性脊髄症の症状は、進行度によって異なります。
初期症状
- 両手のしびれ
進行すると
- 手の細かい動作が困難に
(箸の使用、ボタンの留め外し、字を書くことなどが難しくなる) - 歩行障害(ふらつき、歩きにくさ)
- 感覚障害(手足や体幹の感覚が鈍くなる)
重症になると
- 四肢麻痺(手足が動かせなくなる)
- 膀胱・直腸障害(尿失禁、頻尿、便秘など)
診断・検査
頚椎症性脊髄症の診断には、以下の検査が行われます。
診察所見
- 手足の運動麻痺、感覚障害
- 腱反射の亢進
(膝や足の反射が強くなる) - Babinski反射の出現
(足裏をこすると足の指が反る)
画像検査
- レントゲン(骨棘や椎間板の変性を確認)
- MRI(脊髄の圧迫の有無を確認)
治療
頚椎症性脊髄症の治療には、大きく保存療法と手術療法があります。
保存療法(手術をせずに治療)
- 頚椎カラー(装具)を使用し、首の動きを制限する
- 薬物療法
(消炎鎮痛剤、ビタミンB12製剤、血流改善薬など) - リハビリテーション
- 頚椎への負担を軽減する
(姿勢改善・ストレッチ) - 神経の機能を維持・改善する
(運動療法・筋力トレーニング) - 日常生活の動作をスムーズに
する
(手・指のリハビリ、歩行訓練) - 痛みやしびれを和らげる
(温熱療法・電気療法)
- 頚椎への負担を軽減する
※ ただし、保存療法では進行を止めるのが難しい場合が多く、症状が悪化する場合は手術が検討されます。
手術療法
手術は、以下のような場合に適応されます。
- 症状が急速に悪化している
- 長期間症状が続いている
- 日常生活に支障をきたす
手術のタイミングが遅れると、回復が不十分になる可能性があるため、早めの対応が推奨されることもあります。
2:頚椎症性神経根症
頚椎症性神経根症とは?
頚椎症性神経根症とは、首(頚椎)の周りにある神経根が圧迫されることで起こる症状のことです。
神経根とは、脊髄から枝分かれして首の骨(椎体)の隙間(椎間孔)を通り、腕や手に向かう神経です。この神経根が圧迫されると、首・肩・腕・手指にかけての痛みやしびれ、筋力の低下などが現れます。
原因
この病気の主な原因は、加齢による変化です。
- 椎間板や関節の変性
(すり減り、変形) - 骨棘(骨のとげ)の形成
- 靭帯の肥厚や骨化
- 椎間板ヘルニア
(飛び出した椎間板が神経を圧迫) - 頚椎の不安定性
(首の骨がぐらつく)
これらが組み合わさり、神経の通り道が狭くなることで発症します。
症状
主な症状は、肩・腕・手指の痛みやしびれです。
軽い場合
しびれや軽い痛みが出る
ひどくなると
筋力低下や感覚障害が現れ、日常生活に支障をきたす
頚椎症性脊髄症との違い
- 神経根症は、腕や手の症状が中心
(体幹や足には影響しない) - 脊髄症は、歩行障害や排尿障害が出ることもある
また、首を後ろに反らすと痛みが強くなるため、上を見上げる動作がつらくなることもあります。
検査方法
頚椎症性脊髄症の診断には、以下の検査が行われます。
診察
- 痛みやしびれの範囲を確認し、神経レベルを特定
- 筋力低下や腱反射の低下をチェック
誘発テスト(神経症状の確認)
- ジャクソンテスト
(首を後ろに反らして肩や腕の痛みを調べる) - スパーリングテスト
(首を後ろに傾け、圧をかけたときの痛みを確認)
画像検査
- レントゲン(骨棘(骨のとげ)や椎間板の変性を確認)
- MRI(椎間板ヘルニアや神経の圧迫状態を詳しく調べる)
治療方法
保存療法(手術をせずに治療)
- 首の負担を減らす(頚椎カラー(装具)を使用)
- 痛みやしびれを抑える(消炎鎮痛剤、ビタミンB12、血流改善薬など)
- リハビリテーション(姿勢改善、ストレッチ、電気療法などの物理療法)
※時間とともに自然に回復することが多く、保存療法が基本です。ただし、改善までに数ヶ月かかることもあります。
手術療法
以下の場合には手術が検討されます。
- 筋力低下が強い
- 痛みやしびれで日常生活に大きな支障がある
3:頚椎椎間板ヘルニア
頚椎椎間板ヘルニアとは?
首の骨(頚椎)は7つあり、それぞれの間には「椎間板」と呼ばれるクッションの役割をする軟骨があります。
頚椎椎間板ヘルニアとは、この椎間板の中心にある髄核という組織が飛び出し、近くにある脊髄や神経根を圧迫して症状を引き起こす病気です。 「ヘルニア」とは「飛び出す・脱出する」という意味です。
原因
多くは40歳以降の中高年に発症。
ラグビーやアメリカンフットボールなどのスポーツで発症することも。
年齢を重ねると、椎間板の老化(変性)が進みます。この状態で長年にわたる負担や衝撃が加わると、椎間板の外側(繊維輪)に亀裂が入り、内部の髄核が飛び出して神経を圧迫します。
特に、首を後ろに反らすような動作(上を見上げる、うつ伏せで本を読むなど)が負担になりやすいです。
症状
飛び出した髄核がどこを圧迫するかによって、症状が異なります。
頚髄症(脊髄が圧迫された場合)
- 手足のしびれ
- 手指の動かしにくさ(ボタンを留める、字を書くのが困難)
- 歩行障害(つまずきやすい、ふらつく)
頚部神経根症(神経根が圧迫された場合)
- 片側の腕や手のしびれ・痛み
- 肩甲骨付近の痛み
- 指先の動かしにくさ
- 運動障害(力が入りにくい)
※Keegan麻痺と呼ばれる特殊な症状として、「しびれはなく、運動障害だけがある」ケースもあります。
検査方法
- MRI検査(確定診断)
MRIで椎間板ヘルニアの有無、飛び出した部位、大きさ、脊髄症か神経根症かの判別ができます。
- レントゲン検査
骨の変形や椎間板のすり減りの状態を確認しますが、ヘルニアの詳細な状態はMRIが必要です。
治療方法
保存療法(手術をせずに治療)
ほとんどのケースでは、自然に改善するため、まずは保存療法を行います。
- 薬物療法(消炎鎮痛剤、ビタミンB12、血流改善薬など)
- リハビリテーション(運動療法、物理療法)
- 神経根ブロック(当院で)
※保存治療で改善しない場合や、脊髄症状がある場合は手術を検討します。
予防方法
頚椎椎間板ヘルニアは加齢による変性が原因で発症しやすくなりますが、以下の生活習慣の工夫で予防が可能です。
- 首を後ろに反らしすぎない
(見上げる動作、うつ伏せでの読書・スマホ操作を避ける) - スマホを見るときは、首を引いて背筋を伸ばす(猫背に注意)
- 肩周りのストレッチをして、首や肩の柔軟性を高める
まとめ
頚椎椎間板ヘルニアは加齢や長年の負担によって発症することが多いですが、適切な治療で改善が期待できます。
「いくつになっても動ける体を!」 を目指し、適切な診断と治療で患者さまの健康をサポートします。
気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。
4:胸郭出口症候群
胸郭出口症候群とは?
胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)は、首から腕へ伸びる神経や血管が圧迫されることで、腕や手に痛みやしびれが生じる疾患です。
原因
胸郭出口とは、首から肩にかけて神経や血管が通る部分です。この部分は通常、十分なスペースがあるため圧迫されませんが、以下のような要因で狭くなると、神経や血管が圧迫され症状が出現します。
体型
なで肩の女性や、筋肉質な男性に多くみられます。
職業
腕を挙げる作業が多い職業(自動車修理、電気工事など)で発症しやすい傾向があります。
姿勢の影響
長時間の不良姿勢や肩関節の不安定性が影響することもあります。
先天的な骨の異常
まれに、余分な肋骨(頸肋)があることで起こる場合もあります。
症状
圧迫される部位によって症状が異なりますが、主に以下のような症状がみられます。
- 腕や手の痛みやしびれ
- 肩や腕のだるさ、疲れやすさ
- 握力の低下
- 手や指の冷え、感覚の鈍さ
- 頭痛や吐き気(重症の場合)
特に、腕を挙げた際に症状が悪化するのが特徴です。
診断
胸郭出口症候群は、症状と身体所見に基づいて診断されます。以下のような検査を行うことがあります。
- Wrightテスト
腕を上げた状態で脈が消えるかを確認します。
- Roosテスト
腕を上げたまま手を開閉し、症状の有無を調べます。
- X線検査
先天的な骨の異常(頸肋など)の有無を確認します。
- MRIや血管造影
神経や血管の圧迫が疑われる場合に実施します。
治療方法
保存療法(手術をせずに治療)
- 姿勢改善・日常生活の工夫
長時間の腕の挙上を避ける、肩に負担をかけない工夫をする。 - リハビリ・筋力トレーニング
僧帽筋や肩甲骨周りの筋力を強化し、姿勢を改善。 - 薬物療法
痛みや炎症を抑える薬を使用することもあります。
手術療法
保存療法で改善しない場合や、症状が強い場合には手術が検討されることもあります。
予防方法
- 正しい姿勢を意識する(猫背を避け、肩を適切な位置に保つ)
- 肩周りのストレッチや筋力強化を行い、負担を減らす
- 重い荷物を片方の肩にかけるのを避ける(リュックなどを活用する)
胸郭出口症候群は、生活習慣の見直しや適切なリハビリで改善できることが多い疾患です。お困りの方は、お気軽にご相談ください。
5:肘部管症候群
主な症状
- 環指(薬指)と小指のしびれ
- 手の筋力低下(手内筋の萎縮)
- 指の開閉がしづらくなる(外転・内転運動の障害)
- 細かい動作が難しくなる(つまみ動作、対立動作の障害)
- 指の変形(かぎ爪指変形)
進行すると、手の筋力が落ち、指が思うように動かせなくなります。
診断
診察では以下の検査を行います。
- ティネル徴候
肘部管を軽く叩くと、指先にしびれが走る場合は陽性。
- フロマン徴候
親指と人差し指で紙を挟んだとき、親指の第一関節(IP関節)が曲がってしまうと陽性。
- 肘屈曲テスト
肘を最大まで曲げた状態を維持し、しびれが誘発・悪化すると陽性。
さらに、神経伝導検査やMRIを用いて詳しく評価することもあります。
治療方法
保存療法(手術をせずに治療)
- ビタミンB12製剤などの薬物加療
(神経の回復をサポート) - シーネや装具での固定(神経への負担を軽減)
- ブロック注射
手術療法
保存療法で改善しない場合は、手術を検討します。主な手術方法は以下の通りです。
- 神経の圧迫を取り除く(徐圧術)
- 神経を前方に移動させる(神経移行術)
手術の方法は、症状の進行度や患者さまの状態に応じて選択します。
予防方法
肘部管症候群は、早期に適切な治療を受けることで、症状の進行を防ぐことができます。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
6:手根管症候群
手根管症候群とは?
手根管症候群は、手首の手根管という狭いトンネル内で正中神経が圧迫されることで、手のしびれや麻痺が起こる疾患です。
手のしびれを引き起こす最も一般的な整形外科疾患の一つで、特に40歳以降の女性に多くみられます。
手根管の構造とは?
手根管は、手首の骨と靭帯で形成されたトンネル状の空間です。このトンネルの中には、手の動きを支える腱とともに正中神経が通っています。
しかし、手根管はもともと狭く、さまざまな要因によってさらに圧迫されることで手根管症候群が発症します。
原因
手根管が狭くなる原因には以下のようなものがあります。
- 妊娠やホルモンの影響
(特に40歳以降の女性に多い) - アミロイドーシス
(アミロイドという異常なタンパク質が沈着) - 橈骨遠位端骨折
(手首の骨折による手根管の圧迫) - 原因がはっきりしない特発性(最も多い)
症状
- 手のひらのしびれ(特に親指から薬指の親指側まで)
- 手のこわばりや違和感(特に朝方に強くなることがある)
- つまみ動作や対立動作の障害(物をつかみにくくなる)
- 進行すると親指の付け根の筋肉(母指球)が萎縮
検査方法
ティネル徴候
手根管部分を軽く叩くと、指先にしびれや痛みが走ると陽性。
ファーレンテスト
両手首を最大屈曲させた状態で保持し、しびれや痛みが誘発されると陽性。
母指球の萎縮
進行すると、親指の付け根の筋肉が萎縮(猿手変形)し、物をつかむ力が低下します。
治療方法
保存療法(手術をせずに治療)
- ビタミンB12製剤などの薬物加療(神経の回復をサポート)
- 超音波ガイド下でのブロック注射
手術療法
保存療法で改善しない場合は、手術を検討します。
手根管開放術(手根管を開放して神経の圧迫を解除する手術)が一般的に行われます。
予防方法
手根管症候群は、早期の治療で症状の進行を防ぐことができます。
手のしびれや違和感が続く場合は、お気軽にご相談ください。